風と共に去りぬ続編『スカーレット』はどんな明日を生きたのか?

今回、紹介するのは名作『風と共に去りぬ』の続編『スカーレット』
1000ページ越えで、本の厚さは5cm以上、まるで辞書のようないでたちの本です。

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『スカーレット』
アレクサンドラ・リプリー 著
森 瑤子訳

『スカーレット』/アレクサンドラ・リプリー著 森 瑤子訳【amazon】

有名な風と共に去りぬのラスト
レットを失ったスカーレットは、夕日の中であの有名なセリフを言ってたたずみます。

After all,tomorrow is another day.

これからどうなるかは読者に預けられたラストシーンでした。

また、頑張ろう!というスカーレットの生命力を感じさせるラストシーンは心に強く残っています。
スカーレットだから強く生きていくんだろう。

とは思うんですが、やっぱりもうちょっと続きが欲しかったのは正直な気持ちでした。

当時、この本の存在を知った時(1993年)は、この厚さと値段(当時の定価4800円)の高価さにしばらく迷った挙句、どうしても続きが読んでみたくて思い切って買ったのを思い出します。読み始めると夢中で読み切ったのを覚えています。

今回再び手にしたのは本棚断捨離がきっかけです。
本棚の本を自分の iPhone iPad からいつでも読むことができる様、マンガも含めてScanSnap での本の電子書籍化を進めている真っ最中で、埃をかぶっていたこの分厚い本も自前で電子書籍化してエバーノートへ入れました。

電子化したデータを管理するための専用ソフト ScanSnapオーガナイザーでも1つのファイルにできるのは、1000ページまで。
2つのファイルに分けざるを得ませんでした。
そのくらい超分厚い本なのです。

しかし分厚い本ほど電子書籍化は魅力的です。軽くて埃はたまらないし、本棚の場所は空くし、最高でした。

 

大人の女性の成長物語

読み直すたびに、違った感想を持てそうな壮大な物語です。
改めて読んでみると、スカーレットのたくましさ、潔さがジンときました。

時代の大変動は、ちょっと今の時代と似ている部分もあるし、古い価値観と新しい価値観がごちゃまぜの時代の中で、100年早く生まれてしまった(比喩です)スカーレットがそれに合わせようとしながら、傷つき、しかし自分らしく生きられる場所をみつけていくのにワクワクしました。

自分が年を重ねていくと、違った感想を持てるのが物語の楽しみです。

今読んで感じるのは、スカーレットの女性としての内面の成長です。キャットが生まれた後のスカーレットは特にかっこいい!
レットを失ったことの心のダメージを引きずらず、沈み込まずに現実をしっかりと生きていくことで、どんどん自然体になっていくのが魅力的でした。

スカーレットの心の成長によって、強がり一辺倒だったレットも弱さも含めた素の自分自身としてスカーレットと向き合えるようになって、本当のパートナーシップが生まれたのが見られてうれしかった!

読後は満足感でいっぱいでした。

しかしとにかく、すごいボリュームです。

しかし『風と共に去りぬ』のファンなら、先が気になるので一気に読めるかもしれません。
じっくり、コツコツ読める方ならもちろんおすすめです。

大人になった今だからこそ、細かい部分も心に響きます。
今では、古本で手に入ります。

『スカーレット』/アレクサンドラ・リプリー著 森 瑤子訳【amazon】

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