子ども理解へのヒント!『おかあさまのためのコーチング』

子育ても仕事も人を育てることと考えると共通の部分がたくさんあります。
この本は、女性プロコーチが自分の子育てのエピソードを具体例に
子供とのかかわり合いの中で役立つコーチングのエッセンスを紹介した本です。

『おかあさまのためのコーチング』
あべ まさい著

コーチングのプロが書いているといっても、
こうすべき!これが正しい!
という押し付けがましさは全くありません。

子どもに素敵な関わり方をしてくださった周りの方の実例をあげて、
それをプロコーチの目で解説するような構成になっているので、読んでいてあったかい気持ちにさせてくれます。

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子どもの理解に役立ったタイプ分けと優位感覚

この本を手に取ったのは子育て真っ最中だった2005年、12年前です。

「子育てって難しい!学校で習ったことはほとんど役に立たない。どうしたらいい?」

絶賛、模索中だった頃に出会った本です。

この本で初めて知った視点が2つありました。
コミュニケーションの4つのタイプと優位感覚です。

以下に簡単に紹介します。

4つのコミュニケーションタイプ

  1. コントローラータイプ(自己主張多め。感情表現少なめ。)
    • 自分で判断したがる
    • 目標達成に邁進する
    • 人間関係よりも課題をこなすことを優先する
    • 結論を急ぐ
    • 人をコントロールしたがる
    • 自ら、進んで戦いの渦中に入る
    • 自分の弱さを見ないようにするため、人を責めることがある
  2. プロモータータイプ(自己主張多め、感情表現多め)
    • アイディアが豊富で創造的
    • 細かいことは気にしない
    • 新しいことを始めるのは好きだが、飽きっぽい
    • 楽しいことが好きで、人を笑わせることに夢中になる
    • 人を仕切るのが得意
    • ほめられるといくらでも調子がでる
    • とにかくよく話す。あまり聞かない
  3. サポータータイプ(自己主張少なめ、感情表現多め)
    • 人を援助するのが好き
    • 温かく、穏やかな印象を与える
    • 何かを決めるのには時間がかかる
    • 計画や目標を決めることにはあまり関心がない
    • 課題をこなすことより、人を優先する
    • 気配りがあり、人の気持に敏感
    • 戦いをさける
  4. アナライザータイプ(自己主張少なめ、感情表現少なめ)
    • 情報をたくさん集めて物事に取り組む
    • 計画を立てるのが好き
    • 客観的で冷静な印象を与える
    • 失敗や間違いがきらい
    • 慎重に人と関わる
    • 人は好きだが、大人数は苦手
    • 傍観者になっていることが多い

優位感覚

  1. 聴覚系
    • 教科書を読むよりも先生の話を聞くのが好き
    • 言葉で伝えられたことを、そのまま繰り返すことができる
    • 人の言葉や、声の調子に反応しやすい
    • 騒音を嫌い、静かな環境で学習することを好む
  2. 言語感覚系
    • 頭の中でいろいろと考えている時間が好き
    • 意味が通るかどうかが気になる
    • 新しい出来事とデータを関連付けて理解する
    • 文章を書いたり、それを発表したりする機会があると学習の動機になりやすい
  3. 触覚系
    • 手を使った仕事や、モノを作ることが好き
    • 新しい機械などは、説明書を読んだり説明を聞いたりするより、まずいじってみる
    • 学習の際には、休憩時間を入れることで効果があがる
    • 何かを考えるときは、指でなぞる、体を動かすなどの方法だとうまくいく
  4. 視覚系
    • メモを取るのが好き、しばしば図やイラストにする
    • 指示を口頭で言われるよりも、書面がある方が理解しやすい
    • 話を聞く時に、話をしている人の表情や身振りに注目している
    • 何かを覚える時は、絵や図を頭に浮かべながら覚えると効果的

この2つの知識は自分とは違った個性を理解するのにとても役立つ視点でした。

コミュニケーションタイプは、嗜好と行動を理解するのに役立ち、
優位感覚は物事を認識するときの感覚と傾向がわかり、得意な学習スタイルを知ることができました。

長男はアナライザーの聴覚系、(後に視覚系認知が著しく低いタイプの発達障害であることが判明します。)
次男はサポータータイプの視覚、触覚系

私はというとコントローラーかプロモーターで、言語感覚、視覚系でまったく違います。

自分の感覚で物を言ってもなかなか伝わらないのには、こんな理由がかくれていたようです。

しかし実際の子育てでは
コントローラー気質の私が子どもたちの感覚に歩み寄らないと始まらないわけですが、
これが実際にやろうとすると本当に難しかったです。

どうしても自分の感覚でものを感じて、考えて、行動してしまうんです。

そして、ただの違いを裁いてしまうんです。
自分が正しい!と言わんばかりに。

子育ては、言うのは簡単、やるのは本当に大変!

これを思い知る毎日でした。
今でもそうなんですけどね。

子育て中のママだけでなく、教育現場や仕事にも役立つ本だと思います。

目の前の人を理解してみたいと思ったら手にとってみてください。

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