『アイデアのつくり方』で創造力の翼をつくる!

今回紹介するのは、ひらめきがやってくるような頭が欲しいと思う人に人にぴったりな本
『アイデアのつくり方』です。

とても薄い本ですが、有名なロングセラー本です。

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『アイデアのつくり方』
ジェームス・W・ヤング著
今井 茂雄訳 竹内 均解説

この本は、1998年4月が初版で、私が手にした本は第72版です。
この本の中のアイデアというのは、広告のアイデアのことを言っています。

しかし広告に限らず、新しいものを組み立て直したいと思っている人にはぴったりな内容です。
とても薄い本だけれど、内容は必要にして十分。古典ともいえる1冊です。

アイデアを作り出すのは技術であり、そのスキルは磨くことができる。

この本では
”アイデアとは既存の要素の組み合わせ以外の何ものでもない”
というものが基本の考え方になっています。

そしてアイデアが形になるまでを5段階に分解しています。
ステップわけでして考えることで、イメージもしやすくなります。

興味深く、読み進みました。

第1段階~資料の収集~

2種類の資料を収集する。この2種類の資料の組み合わせから広告のアイデアは生まれてくる

  1. 特殊資料:製品とその製品を売りたいと想定する人々に対する資料
  2. 一般資料:人生とこの世の種々様々な出来事に対しての一般知識

この2つの資料の組み合わせでアイデアができあがるのを万華鏡に例えています。

~前 略~

一つの広告を構成するということはつまり私たちが住んでいるこの万華鏡的世界に新しいパターンを構成するということである。このパターン製造機である心の中に貯えられる世界の要素が多くなればなるほど、新しい目のさめるような組み合わせ、即ちアイデアが生まれるチャンスもそれだけ多くなる。

大学の一般教養科目の実用的な価値に疑問をいだいている広告科の学生諸君はこの辺のことをとくと考えて頂きたい。

出典: 『アイデアのつくり方』 ジェームズ・W・ヤング著

確かに使わないから無駄。と最初から決めつけてしまう人には既存のものから一歩進んだ新しい組み合わせのアイデアは出るものではないですね。
スティーブ・ジョブス風にいうと「点と点が線になる」というのと同じニュアンスを感じます。

資料集めにおすすめ~カード索引法~

本気の資料集めが根気のいる作業であることは承知で、
集めた資料を整理するのにおすすめの方法が紹介されていました。

カード索引法

準備するのは、3インチ×5インチの罫線の入った白いカードと箱です。

集めてきた特殊な知識を1つの項目をひとつのカードに記入していく。
カードなので、項目ごとに整理できるだけでなく並べ替えたりして組み合わせを考えるのに適しているというものです。

私自身は、雑多な情報の整理にはevernote を利用していますが、
並べ替えたり、組み合わせたりすることに関して考えると、目で見ながら手で動かせるカードにはかないません。

カード索引法がとても気になったので、使うカードや道具を探してみました。

amazon でさがしてみると、ありました。

  • 懸案事項がたくさんある人、頭がいつも忙しい人にも頭の中を書き出す場所として活用するのもありだと思います。
    ひらめきの材料を目で見えるものにするための便利な方法ですね。

    第2段階~集めた資料の咀嚼~

    資料集めが終わった後、その集めた資料からひとつの新しい関係を導き出すのが次のステップです。
    この段階は、とにかくパズルを組み合わせるように努力すること。

    そして出てきた、仮のアイデアとも言える断片を先の5×3 のカードに記入していくことです。
    注意点は
    この時に突飛に思えても、不完全でも一切気に留めないで書き留めておくこと。

    思考の経過を残していくという感じでしょうか?
    なかなか答えがみつからなくて苦しい感じがしますが、断片を書き残していく作業をすることで、更に資料を内容を厚くしていく感じに思えました。

    そして、だいたい行き詰まるのです。
    そこまで来たら、次の段階です。

    第3段階~意識の外に放置する~

    資料を集め、その組み合わせを考えて思考の断片を書き残して、行き詰まった後にやることは
    何もしないことです。

    このままでは訳がわからないと思うので、本文から引用します。

    ここですべきことは、問題を無意識の心に移し諸君が眠っている間にそれが勝手にはたらくのにまかせておくことのようである。

    ~中略~

    だから、アイデア作成のこの第三段階に達したら、問題を完全に放棄して何でもいいから自分の想像力や感情を刺激するものに諸君の心を移すこと。音楽を聴いたり、劇場や映画に出かけたり、詩や探偵小説を読んだりすることである。

    第一の段階で諸君は食料を集めた。第二の段階でそれを十分に咀嚼した。いまや消化過程がはじまったわけである。そのままにしておくこと。ただし胃液の分泌を刺激することである。

    出典『アイデアのつくり方』ジェームズ・W・ヤング著

    アイデアにも消化過程がある。ひらめきが訪れる前の熟成期間というわけでしょう。

    第4段階~アイデアの訪れ~

    第3段階までを十分に行って前準備が整った人にそれは訪れる。

    アイデアの訪れてくるき方はこんな風である。諸君がアイデアを探し求める心の緊張をといて、休息をくつろぎのひとときを過ごしてからのことなのである。

    だから、サー・アイザック・ニュートンとその引力の発見についての話もたぶんすべてが事実であるとはいえないようである。覚えておられるだろうが、ある婦人がこの有名な科学者に、どうしてあなたはこの発見をされるようになったか、とたずねた際、〈常にそれを考えることによってです〉と彼は答えたということである。彼がこれを発見しえたのはそれを常に考えていることによってであった。

    しかし、もしこの間の完全ないきさつが分かったら、実際の解決は彼が田舎道を散歩していた時にやってきたということを私たちは発見するにちがいない。

    出典『アイデアのつくり方』ジェームズ・W・ヤング著

    重大なひらめきは、お風呂に入っていたり、散歩していたりするときに訪れるのはよく耳にしていましたが、前準備が済んだ人だったからそれが起こったということになります。

    第5段階~具現化の努力~

    生まれたアイディアを現実の世界で生かすために手を加えること。

    この段階において諸君は生まれたばかりの可愛いアイデアをこの現実の世界の中に連れ出さねばならない。そうすると、この子供が、諸君が当初産み落とした時に思っていたようなすばらしい子供ではまるでないということに気づくのがつねである。ほとんどすべてのアイデアがそうだが、そのアイデアを。それが実際に力を発揮しなければならない場である現実の過酷な条件をかせちがらさといったものと適合させるためには忍耐つよく種々たくさんな手をそれに加える必要がある。

    ~中略~

    この段階までやってきて自分のアイデアを胸の中にしまいこんでしまうような誤ちは犯さないようにして頂きたい。理解ある人々の批判を仰ぐことである。そうすれば、驚くべきことが起こってくる。

    良いアイデアというのはいってみれば自分で成長する性質を持っているということに諸君は気づく。良いアイデアはそれをみる人々を刺激するので、その人々がこのアイデアに手を貸してくれるのだ。諸君は自分では見落としていたそのアイデアのもつ種々の可能性がこうして明るみにでてくる。

    出典『アイデアのつくり方』ジェームズ・W・ヤング著

    現実世界への具現化には、忍耐が必要です。
    今まで生きてきて、心の底から思うのも ”言うのは簡単、やるのは大変” です。

    現実にするには細かい準備が必要で、そこへの詳細な道のりを描くことは、アイデアをひらめくのとはまた別の仕事になっていきます。
    その果てしなさに挫折感を感じてあきらめてしまうことも多かったので
    この第5段階をものにできる人は少数ではないかという気がします。そもそもものにならないということは良いアイデアではなかったということなのかもしれませんが。

    まとめ

    良いアイデアという良いアウトプットをするには、膨大な資料集めとそこから新しい組み合わせを見出すための検証と研鑽。それが済んでからの熟成期間を経て起きるひらめきの訪れ、そしてそれを具現化する努力。

    アイデアマンは、日々の研鑽から作られる。ということでしょうか。

    アインシュタインにしてもレオナルド・ダ・ビンチにしてもメモ魔で有名です。

    この本で提案されていた、カード索引法を実践してみるのも面白いと思いました。

    創造力の翼を手に入れたい人

    におすすめの本です。
    とにかく薄くて小さな本なので、あっという間に読むことができます。

    ぜひ、手にとってみてください。

 

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