今回紹介するのは、片づけの本ですが、仕事を効率化したい人にもぴったりの本
『図解 トヨタの片づけ』です。
なぜ、片づけが必要なのか?
片づけができているとどうなるのか?
トヨタは企業なので、目的ははっきりしています。
利益をあげること。そのためにむだを省いて仕事の効率をあげるための片づけです。
ここは、一般家庭の片づけとは違うところです。
そのため、いらないものが明確でルールも決めやすいです。
500人部下がいるトヨタの課長のデスクの上は電話のみ。資料はキャビネット3個だけ。
「片付けは雑務じゃない。仕事そのものである。」
驚きです。
どっちつかずのものがなく、どうするかがちゃんと決まっていて、物事に停滞がない状態ってどうやって作るんだろう。
秘訣をぜひ知りたい!と楽しみに読み進みました。
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『図解 トヨタの片づけ』
㈱OJTソリューションズ著
改善に次ぐ改善で有名なトヨタですが、改善するために採用している考え方があります。
それは頭文字をとって『5S』と呼ばれています。
- 整理
- 整頓
- 清掃
- 清潔
- しつけ
これはどんな状態なのかというと
「必要なものを必要なときに、必要なだけ取り出せる。」
状態を作り、その状態を維持することになります。
具体的に言うと
整理で、いるものといらないものをはっきりさせて、いらないものを捨て、
整頓で、物の置き場所を考え抜き、
清掃で、日常的に使うものを汚れないようにし、
清潔で、整理、整頓した状態を維持し
しつけで、整理、整頓、清掃についてのルールを守らせる。
このサイクルを
できるだけ効率良く作り、継続できるように工夫して仕組み化しているのがトヨタの片づけの全貌です。
トヨタでは、片づけ=5S は仕事の一部で、普段から習慣的にやるのが当たり前だといいます。
これが当たり前に実践されて、「500人部下がいる課長のデスクの上には電話だけ。」という状態ができあがるのでしょう。
これを家を整えるのに応用できれば、家族みんなが暮らしやすい家ができあがりそうです。
特に整頓の物の置き場所を考え抜くところは、暮らしやすさに直結すると思いました。
自分の家でもこ、の考えにそって、物の置き方を考えてみたくなりました。
トヨタの片づけを実践するためのキーワード
トヨタの片付けの考え方には、家を整えることにも役立ちそうなキーワードがたくさんありました。
以下にまとめてみました。
-
- 判断基準
5S の一番最初の整理は「いるものだけになるように、いらないものを捨てること。」なのですが、これを実行するために絶対に必要なのが、いるか、いらないかの判断基準になります。判断基準がなければ、いるかいらないかが決められず、整理することができません。 - 何がいつ、どのくらい必要か~必要量の把握~
必要なものを必要なだけ、といっても、何がいつどのくらい必要なのか把握できなければ、適切に準備することができず、必要なときに取り出せません。 - 期限
いるものといらないものを判断するときに判断にこまるのが「いつか使うもの」です。トヨタでは「いつか使う物の保管方法」に工夫があります。「いつかに期限をつけて、その期限が過ぎたらいらない物にする。」のです。 - 先入れ、先出し
先にあるものから先に使うことによって、物の劣化を防ぎます。保管する際に2列に保管し、使う列、保管する列を交互にすることによって先入れ、先出しを実現しやすくしています。 - 発注点~在庫管理~
必要量の把握によって在庫適量が決まったら、それが維持できる仕組みを作ります。発注点という考え方です。誰にでもここまで減ったら発注するという時点がわかるように、やることが書いたカードをはさんでおく。トヨタは企業なので「発注部門にカードを回して発注をかけてもらう。」わけです。 - 赤札作戦~現状の見える化~
全員で職場の整理をするときに行う仕組みです。身のまわりにある「いつか使うもの」「いつまでたっても使わないもの」の2種類の物に赤札を貼っていきます。赤札には、場所、品名、処置期限、処理方法、担当者を記入します。そして、赤札の内容をリスト化します。リストをみんなで見ながらいらないものを捨てています。みんなの目の前で行うことで気づきを促し行動につなげる仕掛けです。 - 区画線
行動しやすくする仕組みです。いらないものを整理し終わって、物の置き場所を決めたら、物の置き場所に区画線を引きます。区画線があると元に戻しやすくなります。 - 定位置
共有の物の置き場所に定位置を決めます。置き場所の決め方の基準は「知らない人が30秒で探し出せるようにする。」です。そして付随動作をできるだけ少なくする位置に配置することです。 - 未決箱と既決箱
書類扱いのルールとして、未決箱と既決箱があります。承認をもらいたい書類を未決箱に入れておき、上司は承認したものを既決箱に入れていきます。既決箱に入っていれば、上司がその場にいなくても進めていくことができます。人がいなくても仕事が進むための仕組みです。 - マップ図と所番地
物の定位置が誰にでもわかるように、物の置き場所は掲示します。その際、マップ図を作ってひとめで物の配置がわかるようにします。広い場所は区画を区切って区画図を作り、所番地をつけて物の置き場所がわかるように掲示します。 - 姿置き
物の置き場所の下に置く物の名前や形を掲示します。これは物を定位置に戻しやすくするための工夫です。使われているときには、スペースが空いて掲示が見えるので、どこにどのようにして戻せばよいのかがわかるので、誰にでも戻す場所がひとめでわかり、結果定位置が維持されるという仕組みです。 - 清掃は点検なり
掃除することによって、ゴミや汚れの中から異常を発見できることにつながります。掃除については専用の道具を整えておき、オープンスペースに見える化して置くことによって清掃を習慣化させる工夫をします。道具選びも掃除が楽になる仕組みで考えます。 - 掃除チェックシート
誰がやっても同じ判断ができるように、具体的な掃除のチェックポイントをシートにまとめます。基準は誰がやっても同じ状態になるようことです。 - 現地・現物
片づけのルールが決まったら部下ができるようなるまで、何度でもいう。それが5番目のしつけです。そして自ら率先して行う。トヨタの指導方法の基本は「現地・現物」といっていかなる指導も机上ではなく徹底して現場で行うことになっています。うまくいかないときはその理由を聞いて、それが合理的な場合は改善をして守れる状況をつくります。 - 原理・原則
なぜそうなっているのか、目的を教えて、物事の関連性を理解させなければ清掃の重要性がわからず、行動は定着しない。 - 指導者は桃太郎たれ~きび団子を与える~
よくやってくれた相手には、ちょっとでも喜んでくれることをやってあげる。するとその気になってどんどんやってくれるようになる。
- 判断基準
なんだか、家庭の整え方や子育てにまで応用できそうな言葉満載ですね。
我が家でもいくつか実際にやってみたくなりました。特に赤札作戦と区画線が気に入りました。
まとめ~『5S』ってすごい!
片づけ本として手にとった『トヨタの片づけ』でしたが、『5S』は物事がうまくいくように考えられた仕組みでした。そしていろんな場所で応用可能。
最後まで読んで
『片づけは雑務じゃない。仕事そのものである。』の言葉に納得です。
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まずは、整理と整頓からやってみたいと思います。
場所は家族のものがないキッチンから。
整理をはじめる手始めに「いま使っていないもの」に赤札をはってみようと思います。
赤札作戦をやるために赤札代わりに大きめの付箋を準備してみようかな。
企業と違って家庭には「いまもこれからも使わないけれど、捨てたくないもの」があります。それも家族それぞれにです。
この「思い出の物」という物とどう向き合うのかは、次の課題に残しておいて、
家を暮らしやすく整える家事はトヨタ風にいうとこんな感じでしょうか?
家事は雑務じゃない。「暮らしそのものである。」
片づけができない人も得意だと思っている人も
もっとスムーズな毎日が欲しいと思ったら、ぜひ手にとってみてください。
ヒントがきっとみつかると思います。
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