『嫌われる勇気』で不満と不安のシーソーゲームに気づく

今回紹介するのは、アドラー心理学を紹介してベストセラーになった本です。

『嫌われる勇気』
岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著)

哲人と青年の対話形式で、アドラー心理学の考え方を紹介しています。この対話形式というのがかなり読みやすく面白いです。私個人的には青年のボキャブラリーにちょっと驚き、ここでそうくるか!とツッコミながら読んでいました。

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この本と私の出会い

この本との出会いもぶらっと出かけた本屋での立ち読みがきっかけです。

手にした当時は子供とのコミュニケーションツールのひとつとしてカラーセラピーに取り組んでいた頃でした。
日々自分を練習台に心の声を引き出し整理する練習を重ねていました。

練習を重ねて、だんだん自分の中から答えが導き出せるようになってくると次の課題が出てきました。

「どうしてなかなか行動できないのか?どうすれば継続できるのか?」

自分なりの答えが導き出せて、その時はやるぞ~!と思っても、

具体的な行動が起こせない。続かない。
新しい習慣を作る前に元に戻ってしまう。

カンフル剤的な効き目しか出せないことをとても残念に感じていました。

どうすれば習慣として定着できるようになるのかが関心事で、そのことに対するアンテナが立っていました。

そんな当時、この本は私にひとつの答えをくれました。

もちろん、買って帰りました。(笑)

私は気に入った本はたいてい数回読みます。
そしてその度毎に、気になる部分が変わります。
それは、その時の自分の課題になっているこへとの答えを受け取ることにつながっているのです。

 

読後の感想

アドラー心理学の目的論~人生は選ぶことができる~

アドラー心理学では

原因があって、結果があるという原因論ではなく、
目的があって、結果を引き起こしているという目的論を唱えています。

過去の辛い記憶や失敗などが怖くて行動できないのではなく、
行動しない目的があって、過去を理由に使っているということになるのです。

この見方にはあれっと思いました。

裏返せば、自分の中の本当の目的に気づいてそれを修正することができれば、今までと違った行動ができるということになります。

これはもしかしたら

傷ついて動けなくなってしまっている心に光を当てることができるかもしれない。
変えられない過去に縛られて苦しみ続けることをやめることができるかもしれないと感じたのです。

この考えは、子供の頃から感じていた私の疑問にも答えるものでした。

それは、同じような境遇に育っても全く同じような気質に育つわけではない。
境遇に負けない人は何が違うのか?

というものです。

これに対するアドラーの答えは、
過去の経験は全く影響しないとはいえないけれども
それに「どんな意味をもたせるか」によって自らの生を決定している。

つまり、
人生には選択の余地があるということです。
だから、
人は今ここからの選択によって変わることができるのです。

 

行動できない。新しい習慣を定着できない理由~不満と不安のシーソーゲーム~

選択を簡単に変えることができれば誰も苦労はしない。
とツッコミたくなりますが、それに対する答えはコレです。

ライフスタイルを変えようとすることは大きな勇気を必要とする。

どういうことかというと

新しいライフスタイルを選んでしまうと、新しい自分に何が起きるかわからないし目の前の出来事にどう対処すればいいかわからない。つまり、不安が出てくるわけです。それならば多少不満があっても慣れ親しんだ今までの自分でよい。という選択です。

また、できない理由をさがしてしまうのは、
行動しないことで、失敗の恐れに直面せずに済み、可能性を残しておけるから。

「行動できない。新しい習慣を定着できずに元に戻ってしまう。」

この行動の正体は、

不確かな未来への不安よりも現在のちょっとの不満の方が安心できる。だから変わらない方を選択している。
現状の不満と不確かな未来に対する不安や実際にやってみて失敗に直面する不安を天秤にかけると

不満よりも不安に耐えられない。
というわけです。

まるで、不満と不安のシーソーゲームのようです。

図星すぎますね。
タラレバ言っちゃうホントの本音は、こわいから。

今回読んで、響いたのはこの部分でした。
本当のことって、一番痛いですね。

しかし、不満を持ち続けるのにも飽き飽きしているので、そろそろ自分に正直になって勇気を出すしかなさそうです。

現実を変えるのはまずは小さな勇気から!タラレバ卒業!(どっかのテレビみたい)
 

アドラー心理学の注目すべき考え方

この他にもアドラー心理学の考え方には、コレは!と思うものがたくさんあります。

  • 課題の分離
  • 承認欲求の否定
  • 自己肯定ではなく自己受容
  • 横の関係
  • 共同体感覚
  • 貢献感
  • 今を生きる

中でも課題の分離は、子育てが息苦しくて辛いと感じるときには、救いになる考え方です。
それは誰の課題かを見極めて、人の課題を切り捨てて介入しない。しかしただ放置するのではなく見守る。

子供の勉強などは、その最たるものです。
わかっちゃいるけど、ついついやってしまう介入。

何度も読んで、もっと腑に落としたい本です。きっとその時々によって気になる部分が変わってくるのだろうと思います。

常識へのアンチテーゼともいえるアドラー心理学
一読の価値はあります。

『嫌われる勇気』

 
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