『ミニマリスト、親の家を片づける』は誰でも管理できる家を作るコツが満載です

今回紹介するのは、片付けの本
『ミニマリスト、親の家を片づける』です。

この本を手に取ったのは、母が足を悪くして手術するために2ヶ月入院したのがきっかけです。
リハビリを終えて家での暮らしが始まって、少し不自由になった足で家事をするのには
「もうちょっと親の家を片づけられたらいいな。」

そう思ったからです。

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『ミニマリスト、親の家を片づける』
やまぐち せいこ著

著者のやまぐちさんは私がミニマリストという言葉を知ったきっかけになった本
『掃除・片づけ捨てる新技術』の中で紹介されていたミニマリストの中のおひとりでした。

家族4人の核家族で、モノと色をミニマムにして、とにかく見た目にもスッキリ!という暮らしをされていた方が、夫の両親と田舎での2世帯住宅で同居することになったけれど、広大なその家は汚部屋だった。というフィクションのようなお話です。

自分とは全く価値観が違うどころか真逆ともいえる人たちと、話し合い、歩み寄りながら一緒に住まいを整えた実経験をもとにした片づけ指南本です。

片づけが得意な人「やまぐちさん」が、圧倒的に片付けの苦手な人「お義父さん」「お義母さん」にどう歩み寄ったのか?違う価値観の相手との対話のコツや歩み寄り方、言葉の選び方など具体的に役に立つことがいっぱいでした。

広大な敷地を持つ親の家が汚部屋になってしまった原因は

「モノを捨てるのは悪いこと。」という価値観が実際は使えないモノや不衛生なモノでも溜め込んで、自分自身の生活に悪影響を与えていることに気づいていないことだったり、

ご近所さんがごみ袋をチェックして中身を持って帰り、「これはまだ使える。」と見せに来るというような地域性だったので、ごみを捨てにくくなってしまったり、

広大な収納スペースがあったので、片づけを先延ばしにしても寝る場所がなくならないので、際限なくどんどんモノが増えてしまったり。

しかし、根本的な原因に、親子のコミュニケーション不足があったといいます。
「揉めたくない。」「話しても無駄だろう。」そして放置というわけです。

親の家の片づけは、子どもの側が片づけたくても自分の都合だけで勝手に捨てるわけにはいかず、親と子でお互いの気持を伝えながら考え「捨てる、捨てない、捨てないならどうするか?」を決めなければ進みません。
このお互いの気持を伝えながら、考えることは、当然摩擦を生みます。

著者のやまぐちさんの言葉です。

親の家を片づけるときには、ある程度、親と「揉める」ことを覚悟する必要があります(もちろん不要なトラブルは避けるべきですが)まさに「嫌われる勇気」ですね。「捨てようよ」といっても、親がいうことを聞かない。よくあることですが、私はそれが「親の家の片づけの失敗だとは思いません。むしろこれまで、いいたいこともいわずに我慢していたほうが、不自然だったのです。
 モノを捨てることは、ある意味での「戦い」です。親子で共に戦い、親子で傷ついた経験を終えたとき、そこには新しい親子関係が生まれるはずです。
出典:『ミニマニスト、親の家を片づける』

この言葉は、刺さりました。
まさに自分と自分の親の関係のようだと思ったのです。

私の父はしっかりしているけれど「人の意見をほとんど聞かない人」です。
子どもの私は言いたいことをぐっと飲み込んできた思い出がたくさんあります。(笑)

母はというと、おおらかだけれど、大雑把。父に文句を言われてもどこ吹く風、我が道を行っていました。

子どもの私はその文句を聞くのがいやだったけれど、どうしたらいいのかわからなくて見ぬふりをしていました。しかし、なんともいえない無力感を感じていました。

そんなわけなので、片づけたくともなかなか切り出す勇気がありません。(笑)

今の親の家の状態は、単身赴任していた兄が持ち帰った生活道具が整理されずにひと部屋を占領していて、洗濯物を干すとき妨げになっているのが一番気になっているところです。

不自由になった足で、洗濯物を持って転びでもしたらと思うと。
片付けたい!しかし親はそのままでいいといいます。

これに対する対策も書かれていました。
答えは無理をせず、ただひたすら「待つ」こと。

有名なニーバーの祈りを例にあげていました。

『変えられないものを受け入れる謙虚さを
変えられるものを変える勇気を
その二つを見極める知恵を』

今まで生きてきた親の性格や習慣はそう簡単に変わりません。変えられないものは受け入れるしかありません。本人が困ることで初めて「聞く」というスタートラインに立てる。と
もうしばらくじっと見守って、困っている様子があったら切り出してみることにしようと思いました。

ただ、困ったらいつでも手助けできるようにこの本を参考にして、片づけのシュミレーションをしてみようと思います。
 

なぜ片づけるのか?~基準は安全・健康~

まず、片づける目的は捨ててスッキリするためではない。ということです。

少ないモノで暮らすミニマリストの生活は、決して「捨てる」ことがゴールではありません。親の家を片づけるのは、捨てた後の親の生活が快適になること。捨てる前よりも前向きに生きられること。それが本来の目的なのです。
出典:『ミニマリスト、親の家を片づける』 

著者のやまぐちさんは、親の家の家具を全て入れ替えるような片づけを「親の家の片付けは焼き畑ではない。」と表現しています。子どもからすればすっきりしても、親に「ここは私の家じゃない。」と泣かれたという例もあるといいます。確かに目的を履き違えてしまうと親の人生を壊してしまう「破壊行為」になってしまいそうです。

ここは、間違えないようにしないといけない。と思いました。

基準は親の「安全」と「健康」
なので、優先されるのは、すべての動線となる「玄関」「廊下」
衛生面を考えた「お風呂」「トイレ」となります。

私の親の家の場合は
玄関は問題なさそうなので、廊下を塞いでいるモノを片づけることが必要そうです。

そして片づけのゴールは具体的にです。

私の場合は母が安全に家事ができること。
具体的にしていくと

  • 洗濯物を干して、しまう動線を安全にすること。~障害物を捨てる~
  • 買い物してきたものを戻しやすいよう、ストック品の配置の見直し~手の届く場所に集める~
  • 洗った食器を戻しやすいように食器の配置の見直し
  • ゴミ出しがらくにできる仕組み~ゴミ箱の見直し~

こうしてあげてみると、
洗濯場から物干し場までの動線と台所のモノの配置を考えなおすだけでも家事がずいぶんらくになりそうです。

しかし、台所は女性のホットスポット=地雷原 である場合が多いようで、地雷原であった場合は手を触れないようにするのが懸命なようです。

うちの場合はどうでしょうか?
今度それとなく、探ってみることにしようと思います。

 

モノの配置はどうする?

一番改善したいのが、キッチンのモノの配置なのですが、それについても参考になることがしっかり書いてありました。

今回の片づけで、著者のやまぐちさんはご自分の考え方を思い切って変えています。

「自分だけが管理する家から、誰でも管理できる家に」

そのために、自分のインテリアの好みを捨てて、家族の使いやすさを優先しています。
そのときに使った収納ルールがとても参考になるものでした。

簡単にいうと
「モノの見える化」と
「取り出しやすさよりも戻しやすさ重視」です。

モノの見える化のために、しまう場所にモノの名前を書いたのです。
テプラでラベリングです。

戻しやすさのためには
服はたたまず、ハンバーにかけ、衣装ケースをやめてワイヤーカゴ収納に
下着はたたまず、洗濯機の近くに収納するものをラベリングしたプラケースを置き、たたまず投げ込み収納。

脱ぎっぱなしの上着は、無印良品の「壁につけられる家具シリーズ」のフックを使ってハンガーも不要でワンアクションで戻す。

ゴミ箱も見える化
「捨てたモノが見えるゴミ箱」にすることで、視覚的にどこに何を捨てるのかわかるので誰もがゴミを捨てやすくなり、結果、ごみの置きっぱなしがなくなった。

お風呂・トイレの日用品のストックは玄関に置き場所を確保して、一箇所で管理。
片づけが苦手な人は買ってきたものをそのまま放置するくせがあるので、使う場所の近くよりも効率的。

そして、足元と肩より上にはモノを置かない。

なるほどと思わされます。
足が少し不自由になった母にとっては、足元と肩より上にあるモノは動かしずらいですね。

少し前に読んだ『トヨタの片づけ』では、脇が開かない場所と表現していました。
「戻しやすい場所によく使うモノを配置する。」

これを基本にモノの配置を考えてみようと思います。
戻しやすい場所にあるつかっていないモノを処分するなり、違う場所に移すなりする必要がありますね。

そして、ラベリングかな。
見えるゴミ箱は、2階に設置してもいいかも。

今度、実家に行ったら、モノの配置をみてこようと思います。

 

まとめ

この本を読んで、思ったことは
親が元気なうちに、一緒に片づけをすることができればいいな。ということでした。
しかし、親が「うん」というかどうか。

今回の入院で、親の様子を見ていて感じたのですが、
「親にとっては、子どもはいつまでも子どもだと思っている。」ということです。
自分の方が上という感じです。

「子どもに片づけてもらうのは本意ではない。」というのが、本音なのかな。

しかし、家の中がバリアだらけの状態をもう少しバリアフリーに近づけたい。
その方法とコツはしっかりと紹介されていたいい本でした。

やれるかどうかは、親と私の関係性の問題です。
勇気を出せるか。私。

ということで「片づけの苦手な人の家をどう整えたらいいのか。」という問題について、参考にできる部分がたくさんある本書、

片づけが苦手な人にもおすすめです。
親の家という個人のお宅が舞台なので、写真によるビフォアー・アフターは少な目です。念のため。

こちらも親の家を片づけるのに役立ちます。


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